この記事は中村あやえもんさんが書かれた「お笑いネタの作り方」の解説になります。
はじめに
おはようございます。パッキャオです。
10年くらい前までお笑い芸人をしていましたが、全く結果を残せず、お笑い芸人を引退しました。
そして今は看護師になり、病院で働きながら、月に一回出るか出ないかのペースでお笑いライブに出演しています。
月に一回くらいのペースですが、新ネタでライブに出れるようにネタを考えています。
新ネタを作っていく中で、お笑いの基本的なところを学べば、もっと簡単に新ネタができるかなと思いお笑いの本を読んで、ブログでまとめてみました。
今回は「お笑いネタの作り方」という本を読んだので、解説させていただきます。
お笑いネタの作り方
第一章 笑いのメカニズム
「笑い」とは、「ストレスを軽度に取り除く仕組み」
「笑い」は交感神経が不必要に強くなったら、副交感神経を強めるために起こる
中村あやえもん(2014).お笑いのネタの作り方 あやえも研究所
笑いのメカニズムを読んで、まず思い浮かんだことは監督のことです。
まず監督の説明が必要ですね。
監督とは、僕が趣味でやっているドラゴンボードチームの監督のことです。
監督がどんな人物かというと、巨人の星に出てくる星一徹のような昭和の頑固親父なんです。
そんな監督ですが、年に何度かキレることがあります。
まさに地震雷火事親父くらいのキレ方です。
キレた時は1時間くらいは大声で怒鳴っています。
怒鳴り終わってしばらくするとご機嫌さんになります。
そして、その後はずーと笑ってます。
交感神経優位から副交感神経優位になったということですね。
第二章「お笑い」の構造
本書では「社会性のストレス(自尊心・劣等感)をベースにした笑い」のことを、「お笑い」と呼ぶ
中村あやえもん(2014).お笑いのネタの作り方 あやえも研究所
「笑い」の中に「お笑い」があり、「お笑い」は「笑い」の一部分。
「笑い」とはホッとするような温かみのある笑い、安心感から出る笑いのこと。
「お笑い」はワッハッハッと笑うこと。
第一段階 笑いを作る
例えば失敗したことを話したり、アホなことを話したりすることで得られるような、笑いの根本部分を作ります。
社会的評価が下がることを表に出す→堂々と出す(それに対する社会的評価によるストレスがないものとして表現する)
「だめな状態でもいいんだ」と知った時、比較する重要性が消えて、自尊心のストレスから解放される
中村あやえもん(2014).お笑いのネタの作り方 あやえも研究所
僕は関西出身なので子供の頃から吉本新喜劇を見て育ちました。
吉本新喜劇の中で、多くの笑いを取っているのは外見をいじることです。
チビ、デブ、ハゲなど社会的評価が低い外見の芸人さんをいじって笑いをとっています。
いじられた芸人さんも堂々とノったりツッコんだりしています。
お笑い界のカリスマであるダウンタウンさんも、すべらない話などで子供の頃の貧乏話をすることも多いです。
貧乏という社会的評価が低いことを堂々と話すから笑いになっています。
第二段階 笑いを文脈(物語)にする
例えばボケとツッコミでのやりとりを作ること。
中村あやえもん(2014).お笑いのネタの作り方 あやえも研究所
1.お題(前提条件)
2.振り(きっかけ作り)
3.ねじれ
4.客観化
の4つの要素を構成する。
漫才でいうと、設定→フリ→ボケ→ツッコミと考え方は同じです。
例えば設定は「銀行強盗はおじいちゃん」とします。
社会的評価を下げるために、銀行強盗は怖い→怖くないキャラクター→ヨボヨボのおじいちゃんとしてねじれを作っていきます。
1.銀行強盗がおじいちゃん
2.「金をこの袋に入れろ」と袋を持ってカウンターに行く
3.カウンターに行く途中でフラフラしてこける
4.「(銀行強盗をするには)弱すぎるだろ」
設定から考えた方が、ストーリーを作っていく上で話に統一感が出てくるので設定から考えた方がいいと思います。
フリ、ボケ、ツッコミについては自分の考えやすいところから考えていいと思います。
フリから考える大喜利パターンでも、ボケから考える自由パターンでも、ツッコミから考える縛りパターンでも、自分の発想が出やすいところでいいでしょう。
第三段階 上手く表現する
例えば「上手いことを言う」という反応を得られるような、第二段階を飾って見せる技法などがある。
中村あやえもん(2014).お笑いのネタの作り方 あやえも研究所
これはあまり例えに自信がないですが、
例えば
1.銀行強盗が体操選手
2.「金をこの袋に入れろ」と袋を持ってカウンターに行く
3.体操の演技をしながらカウンターまで行く
4.「(体操してないでカウンターまで)はやくこいよ」
この体操の演技が上手であればあるほど社会的評価が下がると思います。
体操の演技が上手なのに、演技をする時と場所を間違っていて、体操の演技の上手さに意味がありません。
上手であればあるほど、意味のなさが大きくなります。
「体操はすごいのに、もったいないな。宝の持ち腐れだな。」と感じ、社会的評価も大きく下がるということです。
第三章 お笑いのネタの作り方
笑いを取りたいキャラに「社会的評価を下げる性質」を持たせること。
中村あやえもん(2014).お笑いのネタの作り方 あやえも研究所
お題(前提条件)の作り方
1.キャラクターを作る
2.社会の設定を作る
このステップでお題を作っていきます。
例えば、キャラクターを「自分大好きなナルシスト」として、評価しない社会を「美容院」だとすると。
・美容院でお客さんのカットをしているのに、ずっと自分を見ている
・お客さんのカット中に自分の髪もちょっとカットしてしまう
・「かっこいいですね僕」と自分の外見を褒める
みたいな感じでネタができそうです。
振り(きっかけ作り)の作り方
それをしなければしないほどよい状況を作ります。
まさにダチョウ俱楽部さんの「押すなよ」ですね。
設定が「コンビニ」だったとして、フリが「俺店員するからお前お客して」だったどうでしょうか。
お客をしなければ、ねじれとして成立します。例えば。
A「いらっしゃいませ」
B「いらっしゃいませ」
A「なんでお前も店員するんだよ」
とねじれの前のきっかけになる訳です。
ねじれの作り方
お題と振りができていたら、ねじれはできています。
特に振りがない場合でも予想から「外す」ことができれば、笑いを取ることもできます。
外す技術を紹介します。
・建前:思ってもないことをオーバーに言う
・タメ口:目上の人にタメ口を使う
・キャラ変:温厚そうなキャラで切れたり、予想を覆す
・分裂:喜ぶところで落ち込んだり、予想を外す
・自分ツッコミ:ボケて自分でツッコミを入れる
・ノリツッコミ:ツッコミ側がボケを受け入れてからツッコミを入れる
・裏切り:反対のことをする
・ディテール化:不要な細かな説明をする
客観化の仕方
起きたねじれを一般的な立場から解説することで、読み手や観客に客観化を促して、笑いを確実に生ませます。
いわゆる「ツッコミ」の役割になります。
まとめ
もう20年くらい前にNSCに行っていたのですが、授業で「お笑いに教科書はない」と言われて、お笑いは本で勉強するものではないと思っていました。
当時はお笑いの教科書はなかったのかもしれませんが、今はお笑いの本は売っているし、読まないよりは読んだ方がいいと思います。
今回「お笑いネタの作り方」を読んでみて、20年前にこの本を読むことができていたら、、、
あんな変なネタをすることもなかったのかもしれません。

最後まで見ていただいてありがとうございました。
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