この記事は、精神科での看護記録の書き方について解説しています。
SOAPの書き方について発信しています。
きっかけ
おはようございます。パッキャオです。
精神科の看護師と一般の外来でバイトをしています。
今年度から記録委員に選ばれました。
以前は呼吸器内科にいました。
その時の教育担当だった副師長が記録委員で、看護記録についての指導が厳しかった。
新人の頃のトラウマなのか、看護記録に対しては苦手意識しかありません。
新人の時は看護記録を何度も添削され、記録に割かれる時間も多かったです。
そして今も記録に割かれる時間は多いです。
だから自分の中で記録の内容をフォーマットしたいなと思いました。
看護記録の定型文を作れば、記録の時間を減らすことができます。
先輩達も、毎日記録を書いている中で、記録の内容をフォーマット化しています。フォーマット化することで、記録時間が短縮し、かつわかりやすい記録にもなります。
SOAPの書き方について
僕の病院ではSOAP形式で記録を書いています。なのでSOAPについて簡単に説明します。
SOAPとは
SOAPとは、看護師が記録する方式の一つです。
S(subjective)とは主観的情報を書きます。患者さんが話をしたことをそのまま書きます。
O(objective)とは客観的情報を書きます。VS、採血結果、視診・聴診・触診などの情報です。
A(assessment)とはアセスメントです。S情報やO情報を見て、自分がどのように考えたのかを書きます。
P(plan)とは看護計画のことです。アセスメントを元にして行動する内容を書きます。
看護記録を書くうえで大事なことは、何を目的に観察しているのかということです。
例えば統合失調症だと妄想や幻覚などの陽性症状、意欲低下や自閉などの陰性症状、記憶力の低下などの認知機能障害、精神科の薬の副作用など、統合失調症が原因で出現している症状やそれに対してのアセスメントを記録することです。
SOAPの例(精神科)
精神科でのSOAPの書き方も一般病院のSOAPの書き方も同じになります。
新人の頃は先輩看護師の記録を見て、似たような内容を書けばいいです。
記録を書いていくうちに、同じような記録の内容が増えていきます。
その記録のストックが多くなれば、色んなパターンでサッと書くことができるようになります。
S情報について
「しんどいです」「イライラします」「幻聴が聞こえます」「眠れてます」「便が出ました」など患者さんの発言をそのまま記録します。看護計画の評価の場合は看護計画に沿った内容の発言を記録しましょう。
発言から連合弛緩、滅裂思考、言葉のサラダといった情報が得られますので、A情報に入れましょう。
O情報について
O情報は客観的情報なので、観察したことを書けばいいだけです。
まずはバイタルサイン(VS)を書きましょう。体温(T)、脈拍(P)、血圧(BP)、呼吸数(R)など基本的な情報でいいです。
後は看護計画に沿った観察点を書きます。
精神科だと精神状態がわかるように表情や行動がどうなのかは重要です。表情や行動の表現方法は、ある程度ストックがあった方がいいです。
例えば表情が明るい、暗い、硬い、無表情、苦悶表情など。表情の表現はいくつかあると思いますが、精神状態が安定しているのか不安定なのかが分かればいいです。
あとは多弁、無言、独語、空笑、無関心、自閉、観念奔逸、思考抑制、徘徊なども合わせて書きます。精神科の薬の副作用として飲水状況、排便状況、睡眠状況も必要であれば書きましょう。
精神状態をわかりやすく記録するために、専門用語を知っておくと、記録を見ていて「おお」と僕は思ってしまうので、なるべく勉強しておきましょう。
A情報について
アセスメントした結果、特に何に注意が必要なのかということです。だから僕は「〇〇のため精神状態に注意が必要である。」の文言をベースにしています。○○には不穏や興奮などの精神状態を書くだけなのでアセスメントが楽に書けます。
もっというとS情報やO情報からみて被害妄想、誇大妄想、感情鈍麻、衝動行為、カタレプシーなど入れると、より具体的なアセスメントになると思います。
P情報について
P情報には「計画続行する」という記録がよくありますが、具体性がないので、どの計画を続行するのか、具体的な内容を記載するようにしましょう。
例えば「GE60ml実施する。」「カロナール2錠与薬する。」などアセスメントしてからとった行動を記載しましょう。
ちなみに個人的には計画続行でもいいと思ってます。面倒だもの。
SOAP具体例
SOAPの具体例です。
S情報:何かが聞こえてくるんです。誰かが私の悪口を言ってるんです。
O情報:表情が硬い。廊下を徘徊しながら独語をしている。本人より詰所まで来て幻聴の訴えあり。希望時には頓服のリスパダール1mlを内服し、落ち着いている。
A情報:幻聴から被害妄想に発展するなど精神状態が不安定である。引き続き精神状態に注意が必要である。
P情報:本人の訴えを傾聴し、必要時は頓服与薬する。
経時記録について
患者さんの転倒や急変時の記録については、経時記録で書きます。
経時記録は5W1Hで書くのがわかりやすいです。
5W1Hとは、いつ(when)どこで (where) 誰が (who) 何を (what) なぜ (why) どのように (how) です。
まとめ
看護師として業務の中で記録に取られる時間は多いと思います。なぜなら看護記録は、看護の継続や一貫性、多職種との連携、また医療事故時の事実確認としてなど重要なことだからです。
しかし記録のために時間を取られて、残業が多くなっていることも事実です。だからこそ、記録を正しく早く書く技術として自分の中でテンプレートを作っていると、楽に記録を書くことができます。
記録にオリジナルティは必要ないと思っています。最短でわかりやすい記録を書けるように参考にしていただければと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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